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スト魔女二次小説:水音の乙女 ~第5話~ [スト魔女二次小説]

第5話「水音の乙女 その2」


天音は種形に膨らんだ尾の先をじっと見つめた。

ここに今まで自分が磨いてきた能力の全てがある。この力を持ったばかりのときと今とでは、できることに天と地ほどの差がある。
それは、人類を救う手助けになるかもしれないという思いから努力してきた結果だ。

一時期は戦場に駆り出されることを覚悟していた。優奈と出会うよりずっと前のことだ。
わたしに魔法力が発現したのは、優奈に魔法力が現れるよりはるかに前の7歳のときだった。9歳のとき一度軍隊の人に連れて行かれて適性検査を受けた。でもまだ早いかなと言われて学校に戻った。そのとき立ち会った海軍のウィッチの人は、「その魔法力、磨きをかけておきなさい。いつか人類を救う力になる。そのとき迎えに来るから」と言い残していった。
だからきっと行く日がくるんだと思っていた。


それからは力の使い方の探求に明け暮れた。学校が終わるとすぐ海へ行って、毎日いろいろと試した。力の加減、耳のすませ方、感性を磨き、微妙なさじ加減を覚える。できることがどんどん広まった。
ある日、分ったことをお父さんやお母さんに話したら、何日か後に舟に乗って漁に連れて行かれた。私に導かれた漁船は、その日記録的な水揚げをあげた。それ以来わたしの力は地元での漁に役立つと分った。
それからというもの、漁協でわたしはひっぱりだこだ。学校をサボって漁に連れて行かれることが続いたことから、学業に支障を及ぼさないようにと学校と漁協で、わたしを使う上での協定が結ばれたくらいだ。
自分の力に自信がついて、自分が役立てるなら行こう、そこが戦場であっても、と思った。
そのせいだろうか、それからはウィッチの人を注意してみるようになった。でもそれはみんなのように活躍するときの姿をではなく、戦場の外にあるときの姿をだった。意外とそれは、さみしいものだった。

その後、適性検査に立ち会ったウィッチの人は欧州に渡ったらしく、わたしも忘れ去られたようで、連絡がくることはなかった。そして中学に進学した。
中学に上がってすぐ仲良しになったのは、隣町の小学校に通っていた優奈だった。彼女はわたしの噂を聞いていたようで、仲良くなれたことを凄く喜んでいた。マラソンが得意な彼女は、隣町から走ってわたしを見にきたことがあるそうだ。

それからいくらもなく、優奈に魔法力が発現した。ベルギカでネウロイの大反抗があった直後で、戦力増強を図っていた海軍はすぐにその存在に気付いた。リバウの三羽烏が大好きな優奈は、海軍と聞いてやる気満々で、学校の推薦もあってすぐに身体検査と適性検査を受けに行くことになった。そのとき、忘れ去られていたわたしも目に止まったようで、一緒に検査に赴いた。
結果、優奈はすぐに霞ヶ浦で訓練することになった。
しかし、わたしはまたしても選ばれなかったのだ。

「一崎さんには高い魔力・能力がある」

それは横須賀で教官をしているという、適性検査官として来ていた元ウィッチが認めた。しかしながら、なぜかストライカーユニットを装着してみても、ユニットには十分な魔力が注がれず、おそらくできても飛ぶだけで精一杯、拳銃一丁でも持ったらもう飛べないだろうと判定された。
それならと少ない魔力でも力が発揮できる陸戦用の戦闘脚ならどうかと試してみると、どういう事かこっちはまったく動かなかった。技官も首をひねるばかりで原因はまるで分からない。
治癒魔法とまでは言わずとも、せめて怪力とかでもあれば、戦闘でなくても働けるところはあったのだろう。でもわたしの固有魔法は使い道がなかったのだ。
検査官の元ウィッチは、昔わたしを検査したウィッチの人を通してわたしのことを知っていた。あのときはまだわたしの魔力は荒削りだったことと、やはりその時点でもわたしの固有魔法は用途が見つからなかったのだそうだ。その能力が必要となる時が来るまで、しばらく寝かしましょうということだったらしい。
だが寝かしてみても、わたしは使い道がないのだ。


続く


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