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スト魔女二次小説:水音の乙女 ~第17話~ [スト魔女二次小説]

第17話「入隊!」


横須賀での試験から2日後。

いよいよ天音が扶桑海軍に入隊する日となった。
海岸には見送りに来た家族や親戚、学校の先生や友達、そして漁協の人達が集まっていた。

「天音にもいよいよこの日がやってきたね~」
「がんばるんだよっ。こっちのことは心配しなくていいから」
「うぇ~ん、もう天音にあんみつ奢ってもらえな~い」
「こらこら、さっそく心配のネタを作るでない」

お母さんも涙を浮かべている。お父さんは昨夜親戚の人達と一晩中お酒を交わして慰められていたので、もう開き直っていた。

「こうなったら天音!海の中のネウロイ、根こそぎ漁ってこい!一匹残らずだ!いいな!」
「あはは、わかったよう」

漁協の人達もなぜか泣いていた。

「これからどうすっぺ」
「これから間違いなく漁獲高は減少じゃ」
「生きてゆけるかのお~」
「おじさん達、今までさんざんインチキしてたようなもんなんだから十分でしょ。また漁の勘を研ぎ澄まさなきゃ」
「こりゃいかん。天音ちゃんに説教食らってもうた」

沖から轟音が響いてきた。水煙を上げてやってくるのは、またしても海軍の大型飛行艇。海軍は天音の迎えにまたもや飛行艇をよこしたのだった。やってきたのは主翼とエンジンが胴体から離れて支柱で支えられる形で付いている4発機、九七式飛行艇だった。



いつもの桟橋の沖に停まった飛行艇からゴムボートが下ろされ、こちらにやってきた。ボートの先頭にいるのは横須賀教練隊の横川少佐だ。その後ろには・・

「あ、あれ!」

横川少佐の後ろの少女が手を振った。

「あまね~~!」

沖から聞こえてくるその声に、天音の友達たちも「わあっ!」と歓声を上げた。

「優奈!」
「優奈だ!」
「優奈~~っ」

ボートが桟橋にたどり着くより先に、優奈はジャンプして桟橋に飛び移った。そして駆け寄ってくると天音に飛びついた。

「天音!」
「ゆ、優奈!」
「天音、待ってたよ!」

友達たちも駆け寄ってきて優奈に抱きついた。

「優菜ぁー!」
「久しぶりー」
「元気だった?」

後からやって来たお母さんが手を口に当てて驚いていた。

「まあまあ、優奈ちゃん。来るんだったら一言言ってくれれば、筑波さん家に連絡したのに・・」
「おばさん、ご無沙汰してます!お気遣いなく、今日は天音の迎えという任務ですから!」

係留されたボートから横川少佐が降りてきた。こちらに歩みながら優奈と友達が戯れるのをにっこりと微笑んで見ている。お母さんの横に来ると、安心させるように言った。

「おそらく正月に一時帰宅が許されると思います。筑波さんはその時ご実家に帰れるでしょう」

そして横川少佐は改めて天音の両親の前に姿勢を正して立つと、ぴしっと敬礼した。

「天音さんをお預かりします」

お母さんが両手を胸の前にし、訴えるようにして言った。

「生きて、連れて帰ってくださいね」

お父さんも気丈に振舞っているが、声は震えていた。

「娘を、頼みます」

その両親に対し、横川少佐はなんら不安を見せることなく力強く答えた。

「天音さんは扶桑の切り札です。全力を尽くします」

それだけでは足りないのか、お母さんは優奈にも拝み込んだ。

「優奈ちゃんも、天音をよろしくね」

優奈もまた元気に返事した。

「任せてください、おばさん!」

入隊してもう半年。その間にどこだか知らないが海外の戦地、雪景色の港に行くような任務を優奈がこなしてきたことを天音の両親も知っている。それでもなお、こんなに自信たっぷりにしている優菜から、彼女の成長と、扶桑海軍に対する信頼をみんなに生み出していた。
そして天音も、みんなに心配かけまいと、なるべく笑顔にしてみんなの方に向き声をあげた。

「行ってきます!」


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海岸に沿って飛ぶ九七式飛行艇。
九七式飛行艇は、前回天音を迎えに来た二式飛行艇の前の主力大型飛行艇だ。今となっては低速で装甲が貧弱なことから前線で使われることはなくなったが、安定した飛行性能と長大な航続距離は健在で、国内周辺での連絡用としてまだまだ元気に使われていた。

その飛行艇内で、外の景色から目を戻した天音が横川少佐に聞いた。

「また飛行艇でお迎えなんて、普通こんなことするんですか?」

答えたのは優奈だ。

「しないわよ。わたしが入隊したとき覚えてるでしょ? 歩いて駅まで行って、汽車に乗って、最寄り駅で降りて、そこから歩いて駐屯地よ。それが普通。天音は特別扱いされてるのよ」

腕組している横川少佐が続いた。

「確かに特別な事だけど、一崎さんを優遇してるわけじゃないわ。海軍としては時間がもったいないのよ。汽車で移動してたら来てもらうのに半日はかかる。でも飛行艇なら30分。短縮できる時間で随分いろんな事ができます。早く一崎さんを戦力化したい。それが本音。それくらい本当に時間が惜しいのよ」
「残念。ゆっくり懐かしんでる時間なんてなさそうね」

二人の言に天音は緊張が高まるのだった。


やがて眼下に湖が広がる。霞ヶ浦だ。ところどころに白い帆を張った船が網を引いているのが見える。その上をゆっくりと飛び越えた九七式飛行艇は、誘導用のブイが並ぶ水上機滑走用水域に着水した。

天音はここ霞ヶ浦航空隊で入隊の手続きをしたのだった。




続く


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続けてもよかったんですけど、いったんここで切りました。
内容が薄い・・。
次回は天音ちゃんの配属航空隊メンバーをご紹介。



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