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オリエンテーリング (9) [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第9回
<オリエンテーリング (9)>

18時わずかにちょっと前、クスス山の陰になった東山麓の森の中は、とっくに暗くなっていた。その中の獣道をライトの光がピカリ、ピカリと光る。A班ゴール地点(B班スタート地点)で待つC組担任はその光を認めた。
「おーい!ここだあ!もうすぐゴールだぞー!」
その声を聞いたか、ライトの光は急に元気付いたようにせわしなく動き始め、そのうちのひとつが勢いよくこっちへ来た。元気にゴールへ飛び込んだのはサッカーで鍛えた足とスタミナのパウロだった。ガッツポーズだ。
「いやっほう!」
「パウロー!やったあー!!」
その後をキャリーが続いて来た。
「ゴール?ここ。やったわー!ここだよー!もう少し、がんばって!」
集団が続々とかたまってやってきた。
チャンが、勇夫が、ハウルが、ミシェルがゴールした。
少し離れて最後の集団が。体力的に不利な小泉とシャノン、そしてそれをフォローしているレソフィックだ。特にシャノンはだいぶ疲れていた。
「シャノンさん、ゴールですよ。見えます?」小泉が声をかける。
「見える、もうちょっと」シャノンの目には涙がにじみつつあった。「あれ、見えなくなってきた・・」
小泉がシャノンの手を引く。レソフィックも手を引く。
先にゴールしたみんなが手をたたいて激励していた。
あと5メートル。あと2メートル。
レソフィックは2人の後ろに回って背中を押した。小泉とシャノンは、ハウルとキャリーが肩を組んだその中に倒れ込んだ。みんなが取り囲んだ。
「わおー!!」
「やったー!完走したぞー!」
「よくやったー、おまえたち!」

だが、その感激はすぐ静まった。
A班リーダーのチャンがC組担任に詰め寄る。
「B班は?B班はどうなった?!」
「え?B班?うん、B班は最後のチェックポイントを30分前に通過した」
「スタートからチェックポイントまで俺らの班でだいたい1時間だったな。今どこだ?どんな状況だ?」勇夫も詰め寄る。
「お前たち、A班が通ったルートを教えたんだろう?ゴール前の山道にさえ出られれば、暗くても道に迷うことはないよ」
「山道まで出られたんですか?」
「体力的にやばいヤツがいるだろう?どうなった?」
「・・イザベルとウォルトは相当きてるそうだ。ダーニャも転んで足を怪我したって。それにクリスティンが靴擦酷いらしい」
レソフィックが心配そうに言う。「満身創痍だな」
担任は時計を見た。「もうすぐ定時連絡だ」
連絡が来るまで張り詰めた空気が支配する。
天幕の下のテーブルの上の電話が鳴った。B班の定時連絡だ。みんなが集まる。担任が電話に出た。
「カーラか?どの辺だ?道に出たか?」

次回「オリエンテーリング (10)」へ続く!

前回のお話「オリエンテーリング (8)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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