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<俺の家は海賊(6):じいちゃんは海賊?> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第35回
<俺の家は海賊(6):じいちゃんは海賊?>

桟橋に4WDが停まった。そしてがっしりとした人が降りてきた。おじいさんだ!

おじいさんの他、もう三人車から降りてきた。ちょっと年取った中肉中背の水夫だ。鋭い目つきは堅気っぽくなく、いかにも海賊船の乗組員のようだ。
四人はタラップを渡って自分達の船に戻ってきた。そう、まさに戻って来たの表現が相応しい。
甲板で生徒達が迎える。

「アンザック、おまえの学校、そんなに頭いいところだったか?」


「おじいさん、舵を見つけましたよ」アロンが言った。
「驚いたな。どこで気付いたんだ?」
「たまたま海洋調査機構のマークに覚えがあったんです。そのマークの入った半鐘と羅針盤があったうえに。半鐘に残ってたネームプレートには「ラー」の文字。そこに警部との会話で行方不明船の話が出たとき、全部が繋がりました」
「舵を動かしたのも君らか。意図してやったのかね」
ちょっと一呼吸入る。裕美子が言うべきと思ったのだ。しかし裕美子から発言はなさそうだったのでレソフィックが代わりに言う。
「舵には違う名前のプレートが付いてましたし、警部は舵にばかり興味持ってるようだったから、舵から遠ざければ見つかるまいと思ったのがいるんです」
「うむ、傍に置いてあった舵を動かすという機転には感心した」
アロンが続く「そしてその舵に付いてたプレートの名前の船はこの船だって聞いたとき、あれ?今船には何の舵がついてるんだ?もしかして半鐘の横には元々カモメマークの舵があったんじゃないか?って思ったわけです」
ニヤリと笑うおじいさん。
「まあ入りたまえ。お茶でも入れよう」


3人の水夫のうち、リーダー格の人がコーヒーを入れてくれた。味は薄いのだが、香りがすばらしい。

「それにしても、そもそもあの半鐘と羅針盤を気付かれないようにしようした魂胆が判らん」
「なんとなく、あの警部の味方にはなりたくなかったのかな」
「じいちゃん。海賊ってのはもしかしてマジ・・?」アンザックが聞く。
「もしそうだとしたら、おまえと友達は少し警戒心が足りん。最初から確信をぺらぺらとしゃべっているとひっ捕えられるぞ。信用できない相手だったらどうする」
しかしカーラはきっぱり言った。
「海賊でも、正義に沿っているならいいんです」

それは映画の見すぎではないか?

「アンザックの身内じゃ、悪い人じゃなさそうだもんな」
勇夫が言うと、みんながうんうんと頷いた。

そこへ別の水夫の一人がやってきた。
「桟橋にダグラスの野郎の車がやって来やした」


「盗品を隠しに来たのか?」

ダグラス警部はダリルの船の横に立つと、そう言った。
「子供達がうちの船を見たいというから連れてきたのだ」
「それじゃ、俺も見学させてもらうとするか」
ダグラス警部はタラップを上がってこようとした。
「おい、いい加減にしとけよ。さっきから失礼極まりない。甲板に一歩でも上がったら不法進入で訴えるからな。捜し物なら令状持ってこい」
やむなく引き下がる警部。しかし同僚と桟橋に車を止め、動く気配がない。


船内ではおじいさん相手に詮索が始まった。
「なぜ行方不明船の舵とか半鐘とかをおじいさんは持っているの?」
おじいさんはキャピンの自分の決まった席、キャプテンシートに座ると、語り始めた。
「行方不明というレグラド・ラー号こそ海賊だったんだ。わしらは、その秘密を知ってしまったのだ」


次回「俺の家は海賊(7):31年前」へ続く!

前回のお話「俺の家は海賊(5)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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コメント 1

TSO

今回よりサブタイトルを付けることにしました。
何しろこの海賊の章、相当長くなりそうなので、こうでもしないと変化がありません。
こうすることでタイトルに引寄せられる人がいればラッキーですが、それより内容を少しほのめかすことで期待を持って読んでもらうためでもあります。客寄せのためだけの過激なタイトル付けはやりたくないと思います。

by TSO (2010-03-16 22:41) 

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