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<俺の家は海賊(23):俺たちで救出する!> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第52回
<俺の家は海賊(23):俺たちで救出する!>

ヘリの乗員は止めた。
「警察や保安庁の援軍が来るまで待つべきだ」

しかしアロンは行動を急いだ。
「でも保安庁の人達が来る前に敵の仲間が倉庫に来ちゃいますよ。そうしたら倉庫の中は敵だらけなのに、そこへ突入したら激しいドンパチになるんじゃないですか?今なら相手は最大7人ですむのに」
「それでも十分すぎる人数だけど」
そう言うとチャンは額の汗をぬぐった。

警察が来るより早く海賊の仲間が到着するとわかって、アロン達は自分達で救出すると言いだしたのだ。それは勇夫が倉庫内の写真を携帯電話のカメラで撮影して送ってきたことから進み出した。
勇夫から送られてきた倉庫の中の写真を見ていた裕美子の案から具体化し始めたのだ。


裕美子は写真を見て言った。
「この倉庫中央にある塔みたいな荷物、倒せないでしょうか。6人は倉庫の右側に固まっているのでしょう?これを捕まっている人達との間に倒せられれば、6人と人質との間に壁ができます。そうしたら見張りの一人だけ相手にすればよくなります」
レソフィックは手をポンと鳴らす、
「名案だ。6人が倒れた荷物を乗り越えてくる前に人質達を脱出させればいいんだ」
アロンも腕組をして想像した。
「なるほど。例えばこいつを倒したところで3人で突入して、2人で見張りをやっつけ、1人は人質を誘導して左の壁のドアを開け、外へ脱出させるってのはどうだ」
「どうやってその荷物倒すの?」
ハウルはアロンに聞いた。
「上の方蹴っ飛ばしたら倒れないかなあ」
そのマンガのような案に、さらにレソフィックが冗談のような方法で追い打ちをかけた。
「勇夫のいるところの前に鎖が垂れ下がってるんだろう?勇夫がターザンみたいにそれにぶら下がって、勢いつけて蹴りゃ倒れるんじゃないか?」

ヘリ乗員がびっくりした。
「ちょ、ちょっと待て。もしかして、君らでやろうとしてないか?」
「できそうな気がするな」
アロンはニヤッとレソフィックに向って言った。
レソフィックも「そうだな」と返す。

ヘリ乗員は
「もし倒れなかったらどうするんだ?みんな捕まって、へたしたら殺されるぞ!」
と慌てるが、アロンはやる気だ。
「やるっきゃねえな。レソフィック、勇夫に説明してみよう。そんで俺とレソフィックで見張りを相手しよう。リーダーは扉開けて捕まった人たちを誘導する役」
「右側の壁で物音立てれば、見張り以外の人達、そっちに寄ってくるんじゃないですか?」
と裕美子。

チャンも覚悟を決めた。
「よ、よし。アンザック、そしたら勇夫が荷物倒す前に、右の壁の方でわざと音を立てる役やってくれないか。敵を右の壁の方に引き寄せて人質達との間にできるだけ距離を開かせるんだ」
「ええ?!」
裕美子の考えた陽動作戦をよもや任されるとは思いもよらず、アンザックは仰天する。

「あたしらはどうする?」
ハウルも血が煮えたぎってきたようだ。
チャンは見取り図を見ながら女の子達へ指示した。
「ハウルとカーラは、勇夫が蹴った荷物が倒れるように押してサポート。倒した後は勇夫を引き連れて、右の扉から脱出。クリスティンは右の扉の外で待機して脱出をサポート。小泉さんは人質を脱出させる左の扉の外で待機して、人質達が出てきたら、その手を縛ってるロープを切ってあげてくれ。・・・ってうまくいくのかな」

「外で待つ女の子と、中に入る女の子の基準は何?」
カーラは人選の基準になんだか不満ありげなようだ。
「き、基準なんてないよ!たまたまだよ!」
リーダーは妙に焦った。
「力持ち具合かな?」「生命力の高さかもよ」「ゲームじゃあるまいし」
アロンとレソフィックがこそこそと分析する。

「危険だ!子供らがやるようなことじゃない!」
ヘリ乗員は止めようとしたが、勇夫とやりとりの終わったレソフィックが立ち上った。
「考えてる時間ないですぜ。勇夫に説明したぞ。配置つくぞ。リーダー、タイミングの音頭とってくれ」
「わ、わかった」

アロンはヘリ乗員に再度決行を告げた。
「今なら相手は7人。しかも人質のところには1人だけ。相手は分断できる。今がチャンスです。おじさん達は、捕まってる人達が脱出するまでの間、海賊の仲間が倉庫に来ないよう引き止めてください」
「ち、ちきしょう。保安庁のヘリを見せ付けて足を止めるか!」


次回「俺の家は海賊(24):救出作戦開始!」へ続く!

前回のお話「俺の家は海賊(22):警察は間に合わん!」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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コメント 2

TSO

子供達の救出作戦、実は非常に考えるのに苦労しました。
それが吹っ切れたのは、実際に実行可能な方法を考えるのを捨ててからです。(^^;
ネタが思い浮かばなくて映画をいろいろ物色してたとき、ダイ○ード4.0見たんです。
ルパ○3世なみに有り得ないことしてるじゃないですか、実写のくせして。
それが勇夫君のターザン技に発展しました。
勇夫君、成功させてくださいよ。

by TSO (2010-04-02 23:25) 

TSO

もみじさん、ヒロさん、HAtAさん、niceありがとうございます!

もみじさんは始めましてですね。
悩み多きときのようですが、それによってあなたは確実に成長していますから、がんばって!
変なコメント入れてしまってすみません。だって旨そうだったんだもん。
これからもよろしくです(^^)/

by TSO (2010-04-03 23:37) 

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