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<俺の家は海賊(26):爆走少女ハウル> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第55回
<俺の家は海賊(26):爆走少女ハウル>

倉庫の中では勇夫が鎖から下に降りようとしていた。
そこを、周囲を荷物とパレットと壁に囲まれた海賊の6人が騒ぎだす。
「くそ!なめたことしやがって!ただで済むと思うな!」
パレットの山をかき分け登ってこようと大騒ぎをしている。怒りに任せて空に銃を撃つ奴までいる。
「勇夫ー。早く降りないと撃たれるよ」
ハウルが上を見上げながら言った。
まだ鎖にぶらさがってた勇夫は
「飛び降りっから、そこどいて!」
と言うと、3mくらいの高さで鎖から手を離して飛び降りた。
「足痛ぇー!」

「くぉの、クソガキー!」
海賊どもががらがらと足場の悪い崩れたパレットをよじ登ってきた。アンザックが慌てる。
「わあ!もう出てきちゃったぞ!早すぎるよー!」
それを聞くや否や、ハウルはホイル・ロ-ダーに向かって走り出した。
「勇夫!動かし方わかる?」
「カギとか刺さってんのかよ!」

カギは付いたままで、ホイル・ロ-ダーのエンジンは簡単にかかった。
「右足でアクセルだっけ?」
グァロロロロと動かしているのは、なんとハウルだ。
「うはは、おもしろーい!」
「ハウルー!敵は後ろだ」
ハンドルを勢いよく回すと、ホイル・ロ-ダーは片輪が浮きそうなほどもすごい勢いで急旋回し、ドーザーブレードがその辺の荷物をなぎ倒した。
「か、加速しながら曲がらない方がいいぞ!」

多少ふらふらしながらもハウルはしっかりホイル・ロ-ダーをコントロールしている。
「あたし、うまい?」
「動かしたのはいいけど、どうする気だ?!」
「囲いをもう1回作る?」

ぐるりと向きを変えて、倒れている塔状の荷物の横にまだ積みあがっているパレットの方に向きを変えた。
パレットの山に斜めに突っ込むと、パレットは連中がちょっと前にたむろしていた椅子の上にガラガラと崩れ落ちた。
「人いたら下敷きになってるぞ!」
「大丈夫、みんなそこにいるわ」
ホイル・ロ-ダーからみて左前方の、アンザックが崩したパレットの山の上に6人はいた。みんなこっちを見てひきつった顔をしている。

ハウルは舌なめずりしてホイル・ロ-ダーを再発進させると、散乱しているパレットを押しながら6人がいる方へ向きを変えた。
パレットはドーザーに押しのけられて、崩れたり壊れたりして形を変え、その上にいた海賊どもは
「うわあああ!」
と悲鳴をあげながらバランスを崩してパレットのすき間に落ちていった。
「ハウル、いいぞ!このままパレットの山ごと、端っこの梱包材捨て場に押し込んじまえ」
「オッケー!」
ホイル・ローダーはガラガラとすごい音を立てながら、海賊どもを含んだ崩れたパレットの山をドーザー・ブレードで押していく。
すぐ後ろにいたアンザックとカーラは慌てて飛びよけた。避けながらアンザックが絶叫する。
「俺らまで巻き込む気かー!」

ドーザーからあふれたパレットは右の扉を完全に塞いでしまった。そのわずかな隙間からクリスティンが中を覗き込んでいた。
「ど、どうします~?ここ通れませ~ん!」
「アンザック、わたし達もあっちのドアから出ましょ!」
壊れたパレットで倉庫右側の扉から出られなくなったので、カーラは人質達が出たのと同じ反対側の扉へアンザックを引っ張っていった。

一方、ハウルの暴走ぶりにレソフィックは目が点。棒立ちになってその様子を眺めていた。
その横をアロンが、ホイル・ローダーが通過した後に残った壊れたパレットの方へ走っていく。裕美子がそれに気付きついてきた。
そしてレソフィックの横を通るとき
「ラー号の舵を探す気だわ」
と言った。
「そ、そうか」
レソフィックもアロンの行動を理解した。
裕美子はくるりと振り返るとレソフィックに向って言った。
「レソフィックさん、警部か誰かに、舵がどこにあったか見てないか聞いてもらえますか?」
海賊がいた辺りは、ハウルがホイル・ローダーでパレットを倒したり引っ掻きまわしたりで、ひっちゃかめっちゃかである。
「確かに、こりゃ聞いた方がいいや」

ハウルと勇夫は、ホイル・ローダーで海賊達をパレットごと梱包材捨て場の中へ押し込んで、ホイル・ローダーのキーをひっこ抜いて戻ってきた。
アロンがちょっと心配して言う。
「海賊達、生きてんだろうな。正当防衛とっくに通り越してんじゃねえか?」
「ごみの中から罵声が聞こえてたから、大丈夫じゃない?生きてるわよ」
さしもの海賊もハウルにかかると形無しである。

コナーが戻ってきた。
「舵は、トラックの近くにないか?連中、平べったい箱に入れていたぞ」
アロンと裕美子がトラックの方を探す。
「これじゃないですか?」
「あった、あったぞ」
舵の入った箱は、塔状の荷物が倒れたときに多少ぶつかったようで、傷ついていた。しかし中の舵は無事のようである。

するとちょうど倉庫の上空をヘリが飛んでいく音がした。海上保安庁のヘリだ。


次回「俺の家は海賊(27):海賊の増援接近!」へ続く!

前回のお話「俺の家は海賊(25):女の子もやるなあ」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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TSO

ハウルちゃんいよいよ本領発揮です。
ちなみにRight-World左上の娘、Right-Worldから皆さんのところに足跡残すと貼り付く画像の娘、あれ実はハウルなんです。
マンガ描けたらねえ。

ハウルはワタシの中では古いキャラです。この小説において、ハウルはもっとかわいくなるように、でも行動はハデになるようにとアレンジしました。
でも、うまく書けてないです。両立しないのかな。
by TSO (2010-04-06 01:00) 

TSO

HAtAさん、タッチおじさんさん、いつもniceありがとうございます。
by TSO (2010-04-07 22:53) 

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