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<俺の家は海賊(32):船の上の様子> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第61回
<俺の家は海賊(32):船の上の様子>

チャンはスポークを取り上げられた。
「くっそう・・」
ダリルはチャンを抑え、「熱くなるな。ま、もう少しのがまんだ」
そういうダリルがハンディ無線の送信ボタンを押しっぱなしでいるのにチャンは気付いた。
『誰かにずっと連絡している?そうか、さっきの会話も相手の乗り物のこととか、それとなく伝えてるんだ』
そう思うと、チャンも自分の携帯電話を秘かにかけた。

コリスタ鼻の付け根の陰に隠れていたアロンの電話に着信が来た。
「あれ、リーダーからだ。・・もしもし?・・もしもし?・・あれ、変だな」
耳を済ませると、なにやら会話が聞こえてくる。
・・(この中にはないな。おい、他の連中もよこせ)・・

船上では2人の男がスポークを取って回り、リーのところへ持っていった。
リーは手持ちの細長い棒状のものをスポークの底に差し込んで動かすと、スポークの中の筒がスポッと2つに分かれた。どうやら鍵のようなものらしい。
「ちっ。これも違う」
また別のスポークを開ける。リーのところには壊れたのを含め6本が集まっていた。

-----
岸のアロン達。
「どうやら船の様子を聞かせようとリーダーがかけてきたみたいだ」
「それで、どんな様子なの?」カーラが聞いた。
「なんか年行ったおっさんが一人、これも違う、これも違うって言っている」
「なんだそりゃ」レソフィックが首を傾げた。
「舵の棒を開けてるんじゃないですか?それで肝心のものが入っているのがないって言ってるんじゃないかしら」
裕美子がそう想像すると、カーラにもピンと来た。
「舵の棒の中の筒を開けてる?ってことは、船の上にリー教授が乗ってる?」
「そういうことになりますね」
アロンは船の方をもう一度見て言った。「ワリルドノアの下にいるあの黒いやつから乗り込んだのか。あれ、潜水艇だろ、クジラみたいに見えるけど・・ちょっと待って」

-----
ワリルドノアの上のリー教授はイラつき始めていた。
「これは壊れてるな。しかしこれも入っていたやつじゃない。あと2本あるはずだ。隠してないで出せ!」
勇夫が答える。
「今あるのはそれで全部だぞ。調べたっていいぞ。持ってないから」
「どういうことだ?あと2本どうした!」
ハウルも肩をすくめて言った。
「慌てて逃げてきたから、もともと持って来てないんじゃない?置いてきちゃったのよ」

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再び岸のアロンたち。
「船にある6本にはリー教授の目当てのがないらしい」
電話を聞きながらアロンが船の中の様子を伝える。
「ということは、今ここにある2本のどっちかにフィルムがあるんですね?」
裕美子が2本のスポークを見て言った。
「やべえ。責任重大だぞ。見つからないうちにこの場から逃げようぜ」
レソフィックはそう言うと、手で行こうと合図した。アロン達は影に隠れつつ移動を始めた。

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船の上ではリー教授が一同を見渡して、独り言のように唸った。
「おかしいな・・たしか倉庫に来た子供達には女の子が2,3人いたと言っていた。なのにここには1人しかおらん」
勇夫が自分を指さし、「俺を女に見間違えたんだよ」と言うと、ハウルが速攻で「ぜったいないと思う」と返した。
「おめーな、ちっとは話し合わせろよ!」
「だって、嘘つくにしても、もっともっともらしいこと言いなよ!」
「なんだとー。もしかするとここにいる1人の女ってのお前のことじゃないかもしれないじゃんか!」
「どういう意味!」
リー教授はそんな馬鹿げた漫才など気にかけることもなく、冷静に分析していた。
「船に乗らなかった奴がいるな?おい、陸のほうに連絡しろ。この岩場近辺を捜索させるんだ」

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岸で移動中のアロン達。
リーの命令を聞いたアロンがみんなに警告した。
「やべえ。まだ船に乗ってないのがいることに感づいたみたいだ。仲間を呼び寄せてる」
「げげ!」
レソフィックが大げさなくらいに反応する。
その時、岩場の影から急に1隻の船が現れた。とたんにエンジン音がうなりだした。どうやらここまで音を立てないように静かにやってきていたようだ。
その船を見たレソフィックが叫んだ。
「なんだ、この船!」
そのマストに見覚えのある旗を見た裕美子が、
「あ、ダリルさんの船と同じ旗」


次回「俺の家は海賊(33):形勢逆転!」へ続く!

前回のお話「俺の家は海賊(31):リー教授乗船!」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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コメント 2

TSO

ナノさん、ヒロさん、HAtAさん、niceありがとうございます。

ナノさん(ナノノさん?)はじめまして。
ブロック1作品/日とは面白い。毒キノコもおいしそうに見えます(^^;。ストックのブロックどれくらいあるんだろ。
by TSO (2010-04-11 22:24) 

TSO

やまさん、niceありがとうございます。

美しい口笛は取りのさえずり同様気持ちいいですよね。ただ・・へたなのは逆に耳触り!(TS
Oの中にいます)。いつかうまくなることを祈って止めない方がいいんだろうか・・

xml_xslさん、niceありがとうございます。
狭苦しいところにいるせいか、あの写真たちにおもわず見入っちゃうんですよね~。
by TSO (2010-04-12 19:52) 

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