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校外展覧会絵画展(1):展覧会実行委員 [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第125回
<校外展覧会絵画展(1):展覧会実行委員>


「というわけで、展覧会向けの作品は10/8までに作成してくれ。9日に会場へ自分達で搬入。あとは業者の人が事前に指示した通りに展示してくれる。業者への指示のところでまた先生は手伝うが、その他は君達主導で進めてくれ。全体の進行と纏めは文化委員のカーラ。サポートは生徒会委員の2人。それと防災委員のアロンは展示物の運搬や会場セッティング、業者の指示といったところで文化委員を補佐すること。以上4名が展覧会委員だ。じゃあ、ここからは委員にバトンタッチするぞ」

9月の終わり、校外展覧会絵画展の準備が始まった。
これはこの町の恒例行事らしい。毎年地元出身の有名先生の絵画展示に合わせて、分校生徒もこの絵画展用に作成した作品を一緒に展示するのだ。
急造の展覧会委員が前に出て、全体纏めを指示された文化委員のカーラが進行を始めた。



「それじゃあ、不慣れですけど・・皆さんご協力お願いします。え・・と」
事前に学校から配布されている資料に目を落とす。

「決めなければならないのは、どういう作品を作るか、どう期日までに集めるかです。一番ほったらかしなやり方は、各自勝手に書いてもらって、回収日に持ってきてもらうこと。でもちゃんと集まるかが心配なので、お勧め方法のひとつにある、みんなでいっぺんに描く方法がいいと思うんです。もし個人でテーマを決めて描きたい人がいたら、この案はそぐわないので他の案を検討します。個人テーマで描きたい人はいますか?」

みんな見合わせるだけであった。

「いなさそうだよ。いいんじゃねーか?みんなで同じ日にいっぺんに仕上げちゃえば」勇夫が言った。
「いつ描くんだ?学校サボって描いていいのか?」とウォルト。
「え?学校はサボっちゃいけないんじゃないかしら・・」

カーラが困っていると、教室の脇に控えて進行を見守るはずのドジ担任がウトウトしているのをみて、アロンがどつく。
「ドジ担任、サポートしろよ」
「は!なに?・・・ああ、学校の時間割で使っていいのは今のと同じクラス用割り当て時間だけだ」

リーダーが提案した。
「10月1日は平日だけど分校は休校日だろ。この日にみんなで集まってスケッチ大会しないか?予定入ってる人いる?」
キャリーが手を挙げた。
「リーダー、バスケ部はその日だめでーす」
「キャリーはだめかあ。他には?」
アンザックも手を挙げた。
「悪い、そこ休みってわかってたから、家の予定入れちゃった」
「アンザックもだめと。まだいる?・・あとは大丈夫そうだね。欠席2名だけだったら決行でいいかな?」
「はーい」「いいでーす」
「じゃあカーラ、10月1日にC組は作品描いてしまうということで」
「リーダー、ありがとう。それじゃあキャリーとアンザックは個別に描いてください。忘れないようにフォローしますから、お願いしますね」

「どこで描く?風景画?」
「ポタ山の公園がいいんじゃない?景色もいいし、いろいろ題材になりそうなものもあって。たまにスケッチしてる人見るよ?」とイザベル。
「ああ、あそこいいね。気分転換にいいじゃないか」とジョン。
「委員長、決まりましたー」
「じゃあ、ポタ山の公園でいいですね?時間とかどうしましょう・・」

リーダーが仕切った。
「9時30分、現地集合。異議ある人」
「もう少し寝坊したいでーす」とウォルトが言ったが、
「却下だ。じゃ、決まりな!」と一蹴された。ウォルトがぶつくさ言っている。
「くそう、枕持っていって、それ描いてやる」

すると、すっとダーニャが手をあげた、
「あのー、提案なんだけど・・題材について」
「ダーニャ、どうぞ?」
「ポタ山の山頂は360度展望があるよね。C組18人で描く方向を分担して、360度のパノラマを描きませんか?またいつものC組の結束力を見せようと思うんです」
「つなぎ目とか面倒じゃねーか?」
「そんなぴちっとしなくていいのよ。だいたい方向があってれば重なってもかまわない。あ、地平線の高さだけ合わせましょうか。描き方も、画材だって水彩でもクレヨンでも白黒でもかまいません。自主的作品を集めたんだけど、全体では実は一つの仕上がりを目指してるっていうの。C組を表してる感じしない?」
「それなら行けない俺でも、後から作品に参加できるね。俺いいよ」
とアンザックが賛同したことで、題材も決まった。

「それじゃ10月1日、みなさんよろしくお願いします。先生?終わりです」

ドジ担任はまた天井に向って口を開けて意識が遠のいていた。アロンがどつく。
「は!・・・何?終わった?そ、そうか!じゃ、ちょっと早いけどホームルーム終わりな」
ドジ担任、そそくさと教室をあとにした。

「カーラ、なかなかいい司会っぷりだったよ」
アロンに褒められてカーラは照れた。
「い、いえいえ。リーダーに要所要所締めてもらったし。知恵が必要になったらユミちゃんもいるし、安心してやれたわ」
「俺は?」アロンが自分を指さす。
「い、いてくれるだけで・・・」
「なんだそりゃ」
すると裕美子が
「用心棒ですね。作品集まらなかったら取立をお願いします」と言った。
それが本気なのか冗談なのか、メガネ越しからの表情では皆目わからない。


次回「校外展覧会絵画展(2):写生大会(1)」へ続く!

前回のお話「アロンの誕生日:カーラのプレゼントル」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



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コメント 4

TSO

xml_xslさん、 ヒロさん、niceありがとうございます。

準備していて意外とこの章長いとわかりました。
予約更新で隔日アップしていきます。イラストがないんですよねー。

by TSO (2010-09-23 20:37) 

K-STYLE

こんばんにゃ(・◇・)/
新しい展開にわくわくなのです~
こうゆう行事とか、みんなで協力するイベントは楽しくってドキドキですにゃ~
どんな作品ができるのかにゃ~(゜ω゜*)
で、でもやっぱり一筋縄ではいかないのかも・・・・・・
by K-STYLE (2010-09-23 20:39) 

ケンケン@

何か面白そうな展開ですね^^
みんなどんな絵を描くのか楽しみ。
by ケンケン@ (2010-09-23 23:18) 

TSO

HAtAさん、hetianさん、doraさん、ケンケン@さん、いっぷくさん、多動オヤジさん、galapagosさん、dorobouhigeさん、Shin.Sionさん、ほちゃさん、たくさんniceありがとうございます。

かっぱちゃん、ケンケン@さん、コメントいつもありがとです。
イベントというと毎度ドタバタになりそうなのはこのメンバーの宿命なので・・・
今回は作品の出来より、みんなの作品を揃えるまでに焦点があります。そして、次のお話への大事な布石でもあります。
by TSO (2010-09-29 23:40) 

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