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<球技大会(7):ほっぺた> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第153回
<球技大会(7):ほっぺた>


そのあとはダーニャやシャノンが裕美子にまとわりついていた。

シャノンが裕美子の腕に絡みついてきた、
「こいずみー、かわいかったぁ。やっぱりあの夏の幼なじみの人ね。ちょっと見直しちゃった。しばらく観察させて」
「観察?」

ダーニャも横に座ると、しげしげとメガネをしてない裕美子を見た。
「まさか本気とは思わなかったわ。恋のことは私に相談してくれなきゃ。裕美子のデータが足りないわ・・しばらく観察していい?」
「あの、わたし珍しい動物じゃないんだから・・『観察』ってのはちょっと」




その週の終わりの日。
最後の授業の後、裕美子はメガネを外すと、顔のバンソウコウをぺりぺりとはがした。
そして隣へ手を伸ばし、アロンの袖を引っ張っると、首を傾げて右のほほを指さして、はにかむように話し掛けた。

「あの、アロン君、傷跡、残ってますか?」
「どれ」

アロンは顔を裕美子のほっぺたに近づけて見てみた。うん、きれいである。
そのまま目はバンソウコウがなかったところへ移っていった。まじまじとその白いほっぺたを見つめる。頬の輪郭の端ではウブ毛が金色に光っていた。
へぇ・・、日本人らしくきめが細かくてきれいな肌してる・・。

しげしげと顔をのぞかれていると、裕美子も恥ずかしくなってきた。

「ど、どう?」
「・・跡がついてる」
「え?」
「バンソウコウの跡・・・」
「あの、傷跡ですよ、見てもらいたいのは」

あわてて目線をずらすアロン。

「ははは、傷跡ないよ、きれいになってる。よかったねえ」

目線をずらしたとき、裕美子の目と合った。

「よかった。あれ?アロン君、顔、なんか赤い?・・」
「お、っほん・・いや故郷に残したおさななじみの顔を思い出してさ」
「あれ・・架空の人物でしょう?」

『架空だったはずだけど、本当にいたような感じがするな』
と裕美子の顔を見ながらアロンはぼうっと思った。

「え?」
「ああ、架空、架空」


次回「誰よりも前から(1):一つの傘の下で」へ続く!

前回のお話「球技大会(6):この人の横がいい」
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コメント 2

TSO

xml_xslさん、bitさん、kuzeさん、(。・_・。)2kさん、HAtAさん、takemoviesさん、niceありがとうございます。

球技大会の章、これにて終了です。
次章はいよいよアロンの答えです。
by TSO (2010-11-27 21:06) 

TSO

りたーむさん、niceありがとうございます。

ビブラム 5本指シューズさん、mbtさん、コメントいただいてますが、本サイトコンテンツの内容とは無関係のようなので申し訳ありませんが削除させていただきます。
by TSO (2010-12-01 22:46) 

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