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<誰よりも前から(2):誰よりも前から> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第155回
<誰よりも前から(2):誰よりも前から>


しとしとと降る雨の中、小さな折りたたみ傘一つに、2人は狭そうに入って歩いていた。

カーラの告白を断ってから3週間。裕美子への返事を返す約束の期限まであと1週間。
あと1週間で足りるだろうか、それもとそんなに必要だろうか。


2人きりになって、しばらくそのことばかり考えていたら、無言のままそろそろ2人の分かれ道が近づいてきた。
雨脚はひどくなりつつあった。



「学校の仕事って言うと、小泉と一緒にやっていることって多いね」
「・・・そうすれば、一緒にいられますから」

アロンはその言葉を飲み込むのにしばらく時間がかかった。

「え、もしかして・・・」

裕美子を見る。

「わざと?」
「・・・」

意図的・・なのか?
だとしたら、いったいいつからこんな根回しを・・?

「あの・・さ、小泉っていつから俺のことを気にかけるようになったのかな?・・席が隣だから?」

裕美子は首を横に振った。

「アロン君、あの席、どうやって決めたの?」
「あ、あれ?・・初登校の日は勇夫やレソフィックと一緒に教室に入った一番手だったんだ。誰も見てなかったからさ、3人で箱の中漁って好きな席番が出るまで引いたんだよ。ドジ担任も馬鹿だよね、番号札を封していればそんなことできなかったのに」
「私もアロン君と同じことしました」
「え?」
「アロン君の隣の番号が出るまで」

アロンと裕美子の家との分かれ道だった。アロンの家はここで右。裕美子は左だ。

「だって、それじゃあ・・」

裕美子はアロンの手を取るとゆっくりアロンに顔を上げた。

「わたし、誰よりも前からアロン君に選ばれたかったって、いったよね」
「・・・・初登校日には・・もう?」

裕美子は傘を勢いよくアロンに渡すと叫んだ。

「当たり!」

だーっと裕美子は雨の中を走り去っていった。
ぼーぜんと小さな傘を持って立ちつくすアロン。

「・・・・・・・・え、えー!?だって初めて会ったのいつだ?」

半年以上前をぐるぐると思い出す。目が渦巻いている。かすかに思い出せるのは・・

「入学式?・・まさか、忘れてる本当の幼馴染じゃないだろうな」


次回「誰よりも前から(3):再びわたしの傘で」へ続く!

前回のお話「誰よりも前から(1):一つの傘の下で」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



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TSO

xml_xslさん、bitさん、kuzeさん、takemoviesさん、K-STYLEさん、HAtAさん、やまさん、Booちゃんさん、釣られクマさん、ケンケン@さん、(。・_・。)2kさん、りたーむさん、niceありがとうごうございます。

Booちゃんさんははじめまして?よろしくお願いします。
by TSO (2010-12-05 21:13) 

TSO

釣られクマさん、ケンケン@さん、(。・_・。)2kさん、りたーむさん、niceありがとうございます。
by TSO (2010-12-12 17:15) 

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