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<誰よりも前から(7):大好き!> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第160回
<誰よりも前から(7):大好き!>


服も乾き、もう少しすると日も暮れてくる。裕美子は名残惜しいが引き上げることにした。


「どうもありがとう。日が暮れるとまた迷惑かけそうだから帰りますね」

つまり今度はアロンがボディーガードとして送る手間を恐れているようだ。

「え?礼を言うのは俺だぜ。家まで傘入れてもらって、それで服まで濡らしちゃったんだから」
「じゃ、わたしを受け入れてくれたことにありがとうってことで」
「それは、逆だよ。俺が頼んでるんだ・・」

アロンは裕美子の手を取った。


「帰る前に印し付けていい?」
「印って?」
「俺の彼女って印。君の唇に・・」

裕美子は一度下を向いたが、すぐ顔を上げた。

「うれしいです・・。、でも・・今はほっぺたがいいな」

軽く肩をつかまれたまま、裕美子は身をゆだねた。
羽の中にいるようなやわらかく心地よく引き寄せられ、それは一瞬で終わった。ほほに唇の触れた感触が残っている。

「うれしい。これで、わたしアロン君の彼女ですね」

そして肩を抱かれたまま玄関へ歩いていった。



アパートの外までアロンは送った。

「ハウルさん達に報告しないとですね」
「週末で学校休みになっちゃうね。明日、会える?一緒に電話してみようか」
「はい。アロン君の家でいいですか?」
「ここでもいいけど・・ここに来るって考えようによっちゃ、結構危ないことだぜ。」
「アロン君でも危ないですか?」
「構わないならいいけど」
「わたし、構わないけど?」

アロンが赤面する。

「じゃ、2番ストリートのコーヒーショップにしましょう。10時」
「う、うん。10時だね」
「それじゃあ」
「うん、じゃあ気を付けて。帰ったらすぐ風呂であったまったほうがいいよ」
「ありがとう」

裕美子は歩こうとしたが、いったん止まって振り返った。

「アロン君・・」

やや首を傾げながらアロンを見ている。
そして息を吸うと大きな声で言った。

「大好き!」

そう言うと裕美子は小走りに走っていった。
アロンもその後ろ姿に手を振って、それに答えた。

「俺もだよー!」


次回「そして再び仲間(1):待ち合わせ」へ続く!

前回のお話「誰よりも前から(6):アロンの部屋で」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



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コメント 1

TSO

(。・_・。)2kさん、xml_xslさん、takemoviesさん、bitさん、kuzeさん、りたーむさん、いつもniceありがとうございます。
by TSO (2010-12-19 22:26) 

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