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<12月(1):月曜日(その1)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第164回
<12月(1):月曜日(その1)>


一緒に帰る日を決めたアロンと裕美子だが、月曜日は裕美子は生徒会である。生徒会が終わるまでアロンは待っていると言った。
生徒会へは、裕美子を生徒会委員に誘ったチャンと行き帰りしている。チャンはオリエンテーリングで自分を説き伏せた裕美子の頭のよさから生徒会に引き込んだ。その後メガネを外した裕美子のかわいさに気付き、一度告白して失敗しているが、生徒会の行き帰りを使って親密になろうと努力してきた。そこへアロンが裕美子を待っているとなると、さすがにチャンも気付かざるを得ないだろう。
この手のことに疎いという裕美子だが、さすがに心配になってきた。



最後の授業が終わったところで、アロンの腕を人差し指でちょんちょんと突っついて振り向かせると、判り難いがメガネの奥に心配をにじませた顔を向けた。

「なあに?・・今日一緒に帰っていいんだよね?」
「そ、そのことですけど、アロン君。いつも生徒会からはリーダーと教室に戻るんだけど・・アロン君がいたらリーダーに知られてしまいます」
「別に隠す必要ないだろ?」
「・・・あの、実はリーダー、私に好意があるみたいなんです。きっと失恋して傷つくわ・・」

相談ごととは裏腹に、背筋を伸ばして両の手を膝の上に置いて何か言われている様は、遠目には小言でも言われているように見えるかもしれない。表情が見えないだけに余計にそうだが、学校ではいつもこんなである。
でも先日のデートでは初々しい笑顔が見れたし、表情がないわけではないのだ。これも変わっていくのかなあと、アロンは裕美子の顔を見て思った。

「知ってる。なおさら知らせておかなきゃ」
「そんなことして、リーダー大丈夫?」
「何?逆上してつっかかってきても、俺、勝つ自信あるよ」
「そうじゃなくて・・リーダーそれを知っても、普通に戻ってこれる?立ち直れる?いつものリーダーに戻れる?」
「?・・変わった心配の仕方だな。両想いでない限りどっちかが傷つくのは仕方ないことだし・・早く気付かせたほうがダメージも少ないだろうし、新しい相手を考る時間も増えるし・・。俺らもうカーラを傷つけてきたけど、彼女はもう吹っ切れてるじゃん」
「・・そうですね。こういうことは早くはっきりさせた方がいいって、結論出てるところでダラダラ期待持たせないほうがいいって、わたし自分から学んだはずだった・・」

裕美子はちょっと前のめりに顔を前に出すと、アロンに言った。

「わたし、リーダーにしっかり断りますね」
「うん」

どう言い渡すんだろう。ちょっと気になるアロンだった。

「もしうまく言えなかったら、俺から言うよ?」

しかし小さく手を振って生徒会へ向っていった。



次回「12月(2):月曜日(その2)」へ続く!

前回のお話「そして再び仲間(3):初デート」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



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コメント 1

TSO

bitさん、xml_xslさん、HAtA.さん、kuzeさん、takemoviesさん、りたーむさん、タッチおじさんさん、niceありがとうございます。
by TSO (2011-01-08 17:21) 

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