So-net無料ブログ作成

<12月(3):月曜日(その3)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第166回
<12月(3):月曜日(その3)>


学校の敷地を出て、アロンと裕美子は一緒に並んで歩いていた。

「裕美子、あれ、強烈だったぞ。リーダーかなりきてたぜ」

裕美子の見せた行動に驚愕の表情で固まったリーダーを、アロンも怖くて振り返ることができなかった。リーダー、あの後ちゃんと帰れたであろうか。明日朝は後ろから刺されないよう気をつけないとかもしれない。

「そ、そうですか?・・でもどうやっても結局、望むのとは違う結果に気付いてしまうのだから、変に言葉で繕うより、ありのままの姿を見せた方がと思って・・・」

普段あまり表情もなく、男っ気もないところに、異性と寄り添う姿をありのままと言って見せるというのは、あまりにもギャップがありすぎて、裕美子がユカリに変身するくらい衝撃がでかすぎるというもんである。



「あれなら言葉の方がよかったかも・・物理的に触れ合うってのは男としてはすごくうれしいけど、好きな女が他の人にそれをするのを見るのは、かなり衝撃だよ。男の方が未練がましいからなあ、こういうことは」

裕美子は大失敗したと思った。メガネ越しでも目を丸くしているのが判ったほどである。

「ええ?!、リーダー、大丈夫かしら・・」
「今夜あたり首吊ったりして?」

裕美子がしゃがみこんで顔を伏せってしまった。

「冗談ならよして!いやだそんなの!」

ジョークと受け取らなかった裕美子にアロンは驚いた。

「ごめん、悪い冗談だった」

顔を上げた裕美子の目はメガネでよく見えなかったが、その声の調子からすると潤んでいたのかもしれない。

「リーダー、死なないよね?」

なんだろう、この冗談を真に受けてしまったような反応は。

「これっくらいのことで死のうなんて思わないよ。そりゃしばらく落ち込むだろうけど、チャンは切り替わりも早いと思うよ」
「・・・そうですよね」

しばらくうつむいて地面に目を落としていたが、目頭をゴシゴシ拭いて裕美子は立ち上がった。

「ごめんなさい、取り乱して」
「悪かったよ。そこまで真剣に考えてあげてるとは思わなかった」
「・・・・」

とぼとぼとまた2人は歩き始めた。

まもなく別れの分岐だが、なんとなくこのまま別れたくないとアロンは思った。

「うち、寄ってく?」
「・・どうして?」
「宿題終わらせたから、見せてやろうかと思って」
「難しかったですか?」
「そうでもないよ」
「・・・・それなら自分でもできると思います。寄ると遅くなるから、今日はやめておきます」
「そう」

なんとなく残念そうなアロンに裕美子は気付いた。

「アロン君、わたし・・・・」
「・・なに?」
「大好きですからね」
「疑ってないよ」

片手を伸ばしてアロンの手を取った。しばらくその手の感触を確かめると

「次はアロン君のうち、寄っていきますから。今度、金曜日」
「うん」
「それじゃ・・」

小走りに裕美子は帰っていった。


次回「12月(4):金曜日(その1)」へ続く!

前回のお話「12月(2):月曜日(その2)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



Copyright(c) 2009-2011 TSO All Rights Reserved


にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村
にほんブログ村 イラストブログ オリジナルイラストへ
にほんブログ村


nice!(12)  コメント(2) 
共通テーマ:コミック

nice! 12

コメント 2

ケンケン@

リーダーの事を思うと切なくなってきました^^;
まあしょうがないですけど(笑)
次はどんな感じで登場してくるか楽しみです。

by ケンケン@ (2011-01-08 20:47) 

TSO

ケンケン@さん、takemoviesさん、HAtA.さん、ねじまき鳥さん、やまさん、xml_xslさん、bitさん、kuzeさん、天葉輝 蒼武さん、niceありがとうございます。
ねじまき鳥さんははじめましてですね。よろしくお願いします。城跡はワタシも好きです。埼玉だと寄居の鉢形城とか。

ケンケン@さん、的確なコメントありがとうございます。
リーダー、しばらく落ち込んでおります。そのうち復活してますが・・・そういえばいつの間にか復活してたな。復活のエピソードでも考えておこうかしら。(^^;
by TSO (2011-01-09 22:31) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。


☆☆ 災害時 安否確認 ☆☆




この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。