So-net無料ブログ作成

<3学期(2):転校に仲間達は> [片いなか・ハイスクール]

東日本大震災被災地がんばれ!

----------

「片いなか・ハイスクール」連載第193回
<3学期(2):転校に仲間達は>


昼休み、裕美子はハウル達と一緒にお昼を取るべく食堂に来ていた。
お弁当を持ってきていた裕美子は席取りをしてポツリと一人座っている。

どやどやとハウル達がプレートに食べ物を乗っけて席にやってきた。

「お待たせ~。見て見て、このサラダ。新記録よ~」

小さなお皿にはものすごいてんこ盛りの生野菜が塔のように立っている。
ここの食堂にはサラダバーがあって、1回限り乗せ放題なのだ。

「もう、ハウルと一緒にいくのやめよう。はずかしいわ」

カーラが周りを気にしながら言った。

「きゅうりスティックで囲いを作ったのが効いたみたいね。カーラにもこの技を伝授してあげるわよ」
「いらないよー」

するとクリスティンがポンと手を叩く。

「きゅうりスティックの塀ね。ハウル!きゅうりスティックの間にマヨネーズをセメントみたいに塗ったらもっと丈夫な塀にならないかしら」
「おお!」

そんなことせずとも既に人間業でない盛り付けのサラダを見て裕美子が言った。

「マヨネーズは固まらないから、セメントのようにはならないと思いますけど・・」
「そっか。裕美子と考えたらもっといい乗せ方見つかりそうね」

そう言ってハウルは裕美子の横に座った。
裕美子はハウルに体を向けると尋ねた。

「ハウルさん、わたし達、お友達?」
「え?もしかしてスペシャル盛りサラダのお仲間に見られるのがいやだって?」
「いえ、そうじゃなくて・・・」
「わかってるわよ~、なに確認してんのさ。当然じゃない」

裕美子はハウルに抱きついた。

「な、なによ~。転校のことね?そりゃ裕美子には残ってもらいたいと思ってるわよ~」
「うれしいです。・・ここにはわたしのお友達がいる。やっぱり・・ここ離れたくないです」
「彼氏もいるしねー」
「どっちも失いたくないです」

クリスティンも小泉家に引っ越されてしまってはたまらぬ一人である。

「お父さんだけ単身赴任ってのは?そしたら裕美子もひろきくんもこっち残るのよね」
「まだそういう方針が決まってないからわからないんです。でも、一時的なものじゃないみたいなので、お父さん一人だと不都合多いから、お母さんは一緒にいくと思います」
「深刻だわ!」



学校が終わると、裕美子はアロン達と帰った。アロンと同じアパートのレソフィックと勇夫も一緒である。裕美子は終始無言だった。
励ませばいいという問題でもない。アロンは次何をすべきか考えるにしても、あいまいな部分をはっきりさせないとどうしようもない。

「とりあえず早く帰って、どうなったか、どうするんだか聞いてきなよ。それで電話してよ」
「・・帰りたくないです。なんか聞くのが怖い・・」
「転校って、そんなに悩ましいかねえ」

どこでも生きていけそうな勇夫は、転校くらい簡単に受け入れられそうである。

「勇夫君は悩まずいけるかもしれないけど、わたしにはお友達や、アロン君のような人をまた作るなんてこと、そう簡単にできることじゃないんです。この分校は・・やっぱり特別です。・・・アロン君は、もっともっと特別です・・」

大人なレソフィックはそれを理解する。

「確かにこの分校、ていうか、C組は特別だよな。こんなうまい具合面白く息のあった連中が集まってるのはすごいと思うよ。アロンとは、相性がいいんだろうな」

アロンも相槌を打つ。

「裕美子には不思議な惹かれ方するんだよね。それにC組も、仲のいい数人の仲間ならよくあるけど、クラス全体でここまで結束のいいってのは、今までなかったよな」
「・・わたしには、自分の周りだけでも・・驚くほどなんです」
「それって男もか?」

中身小学生な勇夫はまだ男女の壁が厚いようである。

「こんな話、男の人とするなんて、考えられなかったですもの。アロン君は・・・その、彼氏ってわたし初めてなので・・比べようないですけど」
「そうか?でも小泉、中学で結構もてたんじゃない?メガネいつからしてるのか知らないけど」
「いいえ、ぜんぜん。・・・メガネしてると何か?」

アロン達と裕美子の家との分岐に到着した。

「俺が裕美子の家行って説得できるものなのかな。親公認とはいえ、一高校男子の意見が家族会議に取り入れられるもんだろうか」

そんなところまで気が回るアロンも高校生らしくない。ここではむしろ勇夫の方が高校生らしくストレートである。

「好きなんだったら、俺のそばに置いといてくれーって訴えて、だめならかっさらってくってもんじゃないか?」

しかしここからがまだ子供の発想から抜けられない勇夫である。

「それで河川敷に段ボールで家作ってさ、小泉はそこから学校へ通うんだ。段ボールじゃ雨漏りするかなあ。アロンのツーリング用テントでいいじゃんか。大きめの使ってるし」

まともに聞けるアドバイスを言えるのは、ここではレソフィックだけである。

「とにかく顔出してみろよ。お前の顔見りゃ気にはかけると思うぜ。それでも構わず自分達の都合で決めるとは思うけどな、大人は」
「うん。とにかく行こう。言うだけ言わないと気がすまねえや。裕美子、行こう」
「ありがとう。・・でも、レソフィック君の言うように、いやな思いしなければいいけど・・」


次回「3学期(3):転校の行方」へ続く!

前回のお話「3学期(1):始業式」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



Copyright(c) 2009-2011 TSO All Rights Reserved


にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村
にほんブログ村 イラストブログ オリジナルイラストへ
にほんブログ村


nice!(6)  コメント(1) 
共通テーマ:コミック

nice! 6

コメント 1

TSO

bitさん、あいか5drrさん、xml_xslさん、くぼたんさん、HAtA.さん、りたーむさん、niceありがとうございます。
by TSO (2011-04-24 20:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。


☆☆ 災害時 安否確認 ☆☆




この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。