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<3学期(3):転校の行方> [片いなか・ハイスクール]

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「片いなか・ハイスクール」連載第194回
<3学期(3):転校の行方>


裕美子はアロンを連れて家に上がった。
しばらくすると、お盆にお茶とお菓子を乗っけて裕美子のお母さんがやってきた。

「アロン君、いらっしゃい。いつも裕美子の相手してくれてありがとね」
「おじゃましてます。でも、その相手できなくなるかもしれないような話し聞いたもので、心配して来たんです」
「ああ、裕美子から聞いたのね」
「俺、いやですよ、離れ離れになるの。いや、それ以前に、裕美子は今の友達と離れるのをすごく嫌がってます」

単に遊びに来たというより、裕美子に味方しに来たという雰囲気ありありのアロンに少し驚いたお母さんは、裕美子をしばらく見下ろした。

「・・・裕美子、今の学校には、それほどのお友達がいるの?」

裕美子はややうつむき加減に、それに答えた。

「知ってるでしょ?目の前のアロン君もそうだし・・・、クリスマスのとき来たみんなは、わたしの親友です。この学校には、親友がいるんです」
「変ったのもいるかもしれないけど、みんな裕美子のこと心配してるんですよ」

アロンが身を乗り出して何を言ってくるのか身構えている。
そんな様を見て、お母さんは裕美子の横に膝を着いた。

「そう。・・・やっぱりここ来てよかったのね」
「・・・はい」

アロンはこのやりとりの奥深さをまだ知らなかった。



しばらく二人が無言でお互いの気持ちを探っているかのような時間が続くと、お母さんが明るく声を発した。

「ねえ、裕美子。分校には寮があるのよね。そこへ入ろう。そしたら通い続けられるわ」

裕美子は驚いたように顔を上げた。

「え?寮?」
「そ、それできるならいいじゃんか。そうしましょう!」

アロンがさらに身を乗り出す。
お母さんはアロンに微笑み返して言った。

「私達もね、裕美子の今のいい環境を壊したくないのよ」

アロンは自分を指差した。

「お、俺もいい環境・・・ですよね?」
「今のところね。ふふ、心配してくれてありがとね」

裕美子のお母さんはお盆を持って部屋を出て行った。

2人きりになったところで、裕美子は強張ったような体からようやく落ち着いた様子になった。

「アロン君、ありがとう。来てもらってよかった」
「でも俺抜きでも、分校に裕美子を残したいって気持ちがお母さんにはあったみたいだけどね」
「そうかもしれないけど、とどめを刺してくれました」

アロンが裕美子に近寄った。裕美子は
『あ、来る』
と思った。
その通り、アロンにキスされた。

「よかった、一緒にいられるんだ」
「はい」
「でも、ひろきは危ないな」
「そ、そうだ。ひろきにはここに残る、強い理由がない。中学に寮もないだろうし」
「クリスティンがいないと死んじゃうって、言ってみる?」
「はぁ・・他の理由考えましょう」


次回「入寮(1):荷造り」へ続く!

前回のお話「3学期(2):転校に仲間達は」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



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コメント 1

TSO

あいか5drrさん、takemoviesさん、ケンケン@さん、bitさん、xml_xslさん、くぼたんさん、HAtA.さん、niceありがとうございます。
by TSO (2011-04-24 20:08) 

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