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<第2部:第3章 オリエンテーリング(4):第2チェックポイント> [片いなか・ハイスクール]

東日本大震災被災地がんばれ!


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「片いなか・ハイスクール」連載第257回
<第2部:第3章 オリエンテーリング(4):第2チェックポイント>


A班は河原が分かれた所まで戻って、今度は枯れ川の方をたどった。
だいぶ進んだところで川の水が地中にしみこんでなくなるところがあった。レソフィックの言ったようにやはりここから川は地中を進んでいるようだ。


その辺りから第2チェックポイントの滝もずっと見えるようになり、そのまま川を遡ると滝にたどり着くことができた。

「もしもし、ドジ先生?A班のハウルでーす。第2チェックポイントに着いたわよ」

次の第3チェックポイントはその滝の後ろに見えていた。てっぺんに大きな岩が乗っかった、クスス山から延びる尾根の一つの頂である。そして第3チェックポイントはルート全体の中間点でもあった。
リーダーと勇夫、レソフィックがルートの話し合いをしていた。

「見た目は意外と近いな」
「あそこまで登る道筋がここからじゃ見えない。とりあえずこの滝を登っちゃうか」
「そうだな。もう少しこの川たどって見渡せるところ探すか。勇夫、みんなが登れるところ探そう」

勇夫とレソフィックが滝の上に登るルートを探しに行くと、入れ替わってハウルがやってきた。

「リーダー、お昼ご飯どうするの?そろそろ12時だよ」
「昼食は中間チェックポイントで取ろうと思ってたんだよね」
「えー?中間チェックポイントまで最低1時間はかかるんでしょ?ミスコースで1時間ロスしちゃったから、時間的には今頃でちょうどいいじゃない」
「そうなんだけど、この先のルートがまだ見えてないんだ。それをはっきりさせてからにしたいんだよ。そうじゃないと気持ち悪くってさ」
「チェックポイントってあれでしょ?ひたすら真っ直ぐ行けばいいだけじゃない」
「真っ直ぐ行けるかがここからじゃ分からないじゃないか」
「心配性なんだから。それじゃ道がわかったところで、またすぐ違うことが気になるわよ。ここは多数決で決めない?」
「いや、大方針は僕が決める」
「民主主義の冒涜だあ!」
「何を言う!僕だって民主的にみんなに信任されてリーダーやってんだぞ。それはつまり僕に任したって事だ!」

ミシェルが割って入った。

「熱くなるなって。先を知ってすっきりしたいのはみんな同じだよ。タイミング的には昼飯今が取りやすいけどな。でも腹が減ってモチベーション下がっちゃ元も子もないだろ。どうだ、時間で決めないか?12時半には食べる場所探すことにしようぜ。俺もそんな保たねえ」

リーダーも渋々同意した。

「わかったよ。それでいい」
「しょうがないなあ。それじゃ午前の部のお菓子の残りで食いつなごう」





滝の上に登るルートも見つかり、勇夫の案内でシャノンと裕美子から登った。身が軽い2人は楽々登っていった。
続いて登っていたハウルとミシェル。勇夫に着いて行くだけあってハウルも軽快に登っていく。が、独特なルートというか、どんなところでもところ構わず登っていってしまうので、後ろをついてきたミシェルが焦った。

「ち、ちょっ!こんなとこどうやって・・うわ!!」

ミシェルが足をかけた木の根が滑りやすく、ミシェルが踏み外した。

「うわわわわ!」

ざざざーっと滑落しそうになったところでミシェルの袖がガシッと掴まれた。なんとハウルだった。片手で蔓につかまって体を支え、もう片方の手でミシェルを捕まえていた。

「おかしがっ!つかまって!!」

ミシェルが両手でハウルの手を掴む。

「よいしょお!」

すごい力で引っ張り上げられ、ミシェルは目の前に現れた岩に手をかけてなんとか体を支えた。

「はーっ、はーっ、はーっ、ありがとうハウル」
「危なかった!午後のお菓子失うとこだった!」
「え?」
「な、なんでもない!」

いやな予感のしたミシェルはここを登り切った後、ザックの中身を見直した。すると非常物資の電池に紛れてビスケットやチョコレートが混じっていた。

「ハウル!なんだこれは!」
「うわわ!」
「自分で持ってけー!」

お菓子をハウルに押し返したミシェル。だが落ち着いたところで振り返ると何だか恐ろしくなった。

「・・・あそこで落ちそうになったとき、俺と予備電話にバッテリー含む重たい非常物資を片手で引っ張り上げたってことか?バケモンかあいつは」



次回「第2部:第3章 オリエンテーリング(5):意見割れ」へ続く!

前回のお話「第2部:第3章 オリエンテーリング(3):ミスコース」


対応する第1部のお話「第1部:第1章 オリエンテーリング(7)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



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今回は短めに。ハウルが相変わらず目立っていますね。一方リーダーはストレスが溜まりつつあるようです。


※片いなか・ハイスクール第2部は、第1部のエピソードを裏話なども交えながら本編のヒロイン裕美子の視点で振り返るものです。ぜひアロン目線の第1部のその部分と読み比べてみてください。「対応する第1部のお話」で飛ぶことができます。



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コメント 1

TSO

「直chan」さん、HAtAさん、bitさん、あいか5drrさん、(。・_・。)2kさん、翡翠さん、xml_xslさん、niceありがとうございます。
by TSO (2012-05-06 21:43) 

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