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<第2部:第5章 俺の家は海賊(1):アンザック君ち行こう> [片いなか・ハイスクール]

東日本大震災被災地がんばれ!


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「片いなか・ハイスクール」連載第274回
<第2部:第5章 俺の家は海賊(1):アンザック君ち行こう>


「おまえの家、海賊なのか!」
「い、いや、かもしれないだよ。昔、もしかするとじいちゃん海賊だったかもしれない気がするんだ」

学校では最近上映された映画の影響で、ワルだが正義感のあるカタギでない人というのが流行っていた。そんなとき出てきたアンザックの一言で、C組は大騒ぎとなっていたのだ。

アロンと勇夫が勢いよく立ち上がった。

「よーし、そんじゃそのお宝、拝見しに行こうぜ!」
「そうだ。そんで俺らが本当の海賊の戦利品か鑑定してやるよ」
「えー?何言ってんだよ。そんなのお前らに分かるわけねえじゃん」

興味をもたれたら排除するのが難しい騒動屋ハウルも手を挙げた。


「面白そう!あたしも行っていい?この子とその子と、ついでにそっちの子もー」

一緒にいたクリスティンにカーラ、近くにいたシャノンも巻き込まれた。

さらにいつもはこういう騒ぎとは離れたところにいる美女も珍しく話の輪に入ってきた。

「海賊のお宝って、宝石とか?」

美女がやってきたのでアンザックが目の色を変えた。

「も、もちろん!どっかにあったはずだよ!」
「へー。じゃあ私も見に行ってみようかな」
「美女さんも来るの?!ぜ、絶対探しとくから!宝石!」

美女グループの分はダーニャが指差点呼してカウントアップした。

「じゃあこっちからはシャルロットと、私とイザベルが行くね」
「キャリーは?」
「今度の週末?ごめーん、試合前だから練習あって行けないよ。宝石私の分も取っといてねー」

男子側の人数を数えていたアロンがやってきた。

「男側で行けないのはジョンだけだ」
「ファッション誌のオーディションがあってその日はだめなんだ。決闘用の剣があったら取っといてくれ。柄にドクロマークとか入ってるヤツな」

お宝がどんなものだかわかってないというのに、自分がほしいものが当然のようにそこにあって、しかもくれるもんだと当たり前のように話が進んでいるのに、温厚なアンザックもさすがに怒っている風だった。

「言っとくけど、見に来るのは構わねえけど、おめーらにやるもんなんか何んもねーからな!それにしてもみんな暇人だな。来ないのはキャリーとジョンだけかよ」

アンザックが腕組みしてブツクサ言ってるのをそばで聞いていた裕美子であるが、裕美子は行くとも行かないとも言った覚えはなかった。中間試験あたりからまた人付き合いに慎重になっていた裕美子は、このところ生徒会の用事で熱心に話しかけてくるチャンくらいしか話をする人もなかった。そのせいですっかり存在を忘れられているようだ。

と、カーラがそれに気付いた。

「裕美子ちゃんの聞いてないんじゃないの?」

するとハウルが裕美子の答えも聞かずに勝手に答えてしまった。

「参加参加。アンザック、お茶菓子の数間違えないでよね」
「ハウル~、ユミちゃん来れなかったらお菓子食べちゃうつもりでしょぉ」

クリスティンさすがに鋭いつっこみである。

「な、何言ってるのよ。来るよね?」

そっくり返って振り向いたハウルが裕美子を見た。

『どうしよう。あんまり行きたい気がしないけど・・』

「ほら、来るって」

どこをどう読み取ったのか、勝手に行くことにされてしまった。

『まぁ・・、いっか』


次回「第2部:第5章 俺の家は海賊(2):出かけ前の朝」へ続く!

前回のお話「第2部:第4章 クラス委員決め(10):アロンの答え、裕美子の答え」


対応する第1部のお話「第1部:第8章 俺の家は海賊(1)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆



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海賊事件の章に入りました。
どっかでも書きましたが、下書きでは、第2部では書かないことにしていた章ですが、1章と視点の違うところを強調するため、さわりのところは少し追っかけることにします。

何かしらイベントというとやたら参加率のよいC組一同。裕美子も当たり前のようにいたわけですが、実はこのころはあまり乗り気でなかったんですね。このままだとクラスに溶け込めないかもという段階にありました。
既にカーラはハウルのグループに入ったようですが、アンザックの家に行くメンバーに指名されなかったようにまだ裕美子は女の子の中で無所属です。C組ではなく生徒会が居場所かもしれません。

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ところで、こないだ漫画「鴨川ホルモー」(原作:万城目 学、絵:渡会 けいじ)を読みました。
作中のメガネキャラ楠本ふみが裕美子に設定が似ていて笑っちゃいました。頭が良く、地味で大人しキャラと思いきや事あるときはズバっと鋭く核心を突き、軍師の才覚があり、服装はいつもロングスカート(片いなか・・の挿絵ではうまく表現できてないですが裕美子も肌の露出を嫌う人なので踝近くまであるスカートをよく穿いていることになってます)、もちろんメガネを取るとめっちゃカワイイ。
キャラだけじゃなく、主人公に一目惚れして、でもそれをずっと隠し続け、実は影では彼を助け続けていて、話の後半にそれが明らかになると、展開まで似ていたんです。まるで片いなか・・は真似をしたんじゃってくらい。
あ、実写映画があるんだ。見てみようかな。楠本ふみの役をやった栗山千明さんは、少なくとも裕美子のイメージとはぜんぜん違います。
片いなか・ハイスクールはちゃんとオリジナルです。こちらの設定は登場人物紹介(目次ページからもたどれます)の通り。
どこかでも書きましたが、裕美子はワタシの中の別の物語からもってきた人です。もわもわしたクセ毛のアロンの彼女(どちらかというと押しかけ女房)です。もっと明るい性格で、読み書きするときしかメガネをかけない人でしたが、片いなか・ハイスクール用に落ち着き払った性格と暗い過去を持つという変更をしました。アロンの彼女には簡単にはさせないぞっていうのが、くだんのストーリーに繋がるわけですが、盲目にしてプロの作家と同じ着眼点にたどり着いたのはちょっとうれしい。でもプロはさらに「ホルモー」という独創を加えてようやく世に出る読み物になっているんですから次元が違います(その前に文章力なり画力なりも)。
片いなか・ハイスクールは、別物語メンバーを使って学園モノを書いたらという欲求を満たすため始めたものですから、これはこれできちんとケリを着け、独創性をもっと追及したものはまたいつか挑みたいと思います。

※片いなか・ハイスクール第2部は、第1部のエピソードを裏話なども交えながら本編のヒロイン裕美子の視点で振り返るものです。ぜひアロン目線の第1部のその部分と読み比べてみてください。「対応する第1部のお話」で飛ぶことができます。



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by TSO (2012-11-20 23:41) 

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